関係〈臨床・教育〉―気づく・学ぶ・活かす
編:日本関係学会 発行:不昧堂出版
本書は、会員の曽根絢子さんから紹介されました。タイトルは大変地味なものですが、お茶ノ水女子大学大学院の方々が中心となって日本関係学会が編集したものです。
1960年代、お茶ノ水女子大学の村松康平先生は「人間は関係的存在」と定義され、心理学領域において「関係」を学問の対象とされました。当時の看護教育は疾患看護の傾向が強く、病態生理学等自然科学の知見が強調される中で、患者さんとの関係で展開する看護にこそ「看護の本質」があるのではないかと思う看護職にとって、"関係学"は一筋の光をもたらすものでした。
本書は第1部理論編、第2部臨床編、第3部教育編で構成されています。曽根さんは第2部4章に結核の患者さんとの出会いを取り上げ、看護を整理されています。第5章には信田さよ子さんが「ドメスティック・バイオレンスにみる加害者性と被害者性」を書かれています。
(会長 平野より)