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第73回日本公衆衛生学会 自由集会の報告

日時:平成26年11月6日(木) 18:00~20:00
会場:宇都宮東武ホテルグランデ 6階「藤」
参加者:60名
テーマ:これからの保健師活動-保健所と市町村の協働による地区診断-

 自由集会の会場が学会総会の会場であり、栃木県鹿沼市の保健師さんの参加も多く、会場に入りきれない程多くの方の参加を頂き、市町村と保健所が協働した地区診断の活動事例について学ぶことができました。「地区診断」という言葉が重い印象をもちますが、日ごろの業務での疑問や気づきから始める実践の場における地区診断の方法を学ぶ機会になりました。

 話題提供者の資料と報告の概要、グループでの話し合い、参加者のアンケート結果を紹介します。

◆1. 話題提供の資料
1)「県西県健康福祉センター(保健所)と市町村の協働による地区診断の実施」
2)「栃木県の保健師の人材育成に位置づけた『保健所と市町村の協働した地域診断』」


◆2. 話題提供とグループワーク
≪話題提供≫
【地域診断を進める上で大切にしたこと】

自由集会
・日々の業務の延長線上に地区診断があるとし、日々の気づきを大切にして、行やれるところからやることを大事にした。
・PDCAサイクルを回していくために「使える地区診断」を行うことが必要で、そこを目指した。
・地区診断を行う要所要所で保健所の支援をもらった。
・地区診断の結果発表する発表会を設定したことで「まとめる」ことができた。

【協働できた要因:保健所の存在】
自由集会
・「行政保健師に期待する」という保健所長の声に動機づけられ、保健所と地区診断に取り組み始めた。
・頼りになる所長と認識した保健所保健師が所長にキーパーソンを依頼した。
・地区診断の途中で、保健所の課長からアドバイスをもらい軌道修正することができ、励まされた。
・地区診断の結果の発表時に保健所長からは「推測だけで進めないこと」との助言があり、さらなる情報収集・分析が動機づけられた。

【協働できた要因:業務連絡会】
自由集会
・市町村と保健所の業務連絡会があることが重要。教務連絡会の補助金が出なくなった後は、会費制とし、会長も役員も持ち回りにして継続させた。
・業務連絡会の運営方法、地区診断は市町村だけでなく保健所も行う等、市町村と保健所が対等・平等で、顔と顔の見える関係を保って行えた。
・その中で、保健所としての役割を意識的に行った。保健師だけで話し合っていると堂々巡りになることがあるので、医師である保健所長にスーパーバイザーになるよう調整した。また、似たような他市町村のデータを市に示すのは保健所保健師の役割と考えている。

【県本庁の役割】
・県では、研修事業として位置づけることで、市町村と保健所の協働を支える仕組み作りをしている。

≪グループワーク発≫
1G

・業務連絡会を持つことが難しい。分散配置なのでそんなことをしても無駄だという意識が保健師自身の中にある。
・調査研究を通してデータがみられるようになったし、保健所とも近くなった。

2G

・分散配置で、それぞれの保健師が持っているデータを集めて共通認識することで、違う角度から地域を見る機会になった。
・「あれ」と思ったことをデータで裏付けることも大切と実感した。
・数値だけでなく、住民の声を聴くことも大切。

3G

・地区診断の必要性はわかるが時間がない。しかし、やらなければいけない状況になるとできるし、一度やると次につながる。
・保健所には、管内全体、市町村ごと、県、国を比較して特徴を提示してもらうとよい。
・地区診断をすることで業務を見直すことができる。

4G

・時間を合わせる大変さはあった。
・「地区診断=大変」という先入観があった。地区診断にこだわりすぎず、日頃の疑問からデータを集めると地区診断になる。

5G(保健所保健師のみのグループ)

・保健所と市町村の連携が大切。
・県が保健所にデータを渡して、市町村の求めに応じて保健所が適宜加工して出すようにしている県がある。県が直接市町村に渡すのではなく、保健所を介すことで、保健所の立場を活かしている。
・大学と連携したい。保健所だけではやることには怖さがある。

6G

・事例検討会を月1回、係内で行っているが、これも地区診断につながる。人材育成にもつながる。
・日々の業務の中で地区診断がある。
・大学との連携により、体系的に人材育成に取り組んでいる。
・保健所長もキーパーソン。
・日々の業務の中で、おむつが外れるのが遅い、離乳食開始が遅いと感じている。

7G

・茨城県内市町村は体系的な研修でよく育っていると感じた。県保健所の使い方がうまい。
・市町村保健師は、県保健所の保健師にも育ってほしいと思っている。
・県と関係の良い市町村は仕事が進む。市町村は都道府県の顧客なので、大事にしている。
・県にベテラン保健師がいるうちに、保健所の若手保健師に市町村への入り方を伝えてほしい。

8G

・同じ保健師同士で話し合う時間を作らないと気づきが持てない。
・時間は作らなければだめ。
・若手が育つためには地区診断が施策化されて結果が出て「楽しい」と思えることが必要。楽しい地区診断を。
・全国や他市町村と比べることで気づきがある。そこは県の役割が大きい。
・震災後の支援活動の際、訪問結果を白地図に書き込んでいくことも有効だった。

◆3. 参加者のアンケート結果:日本保健師活動研究会の自由集会アンケート結果
 >>アンケート結果

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