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第75回日本公衆衛生学会 自由集会の報告

公衆衛生看護を語ろう:保健師の活動を記録で見せる化しよう
~わかりやすく、役に立つ記録~



 10月26日から大阪で開催された第75回日本公衆衛生学会で「保健師の記録」をテーマにして自由集会を開催し、52名の参加がありました。

プログラム
 講義「保健師の記録について」
 講師:小西 かおる氏 大阪大学大学院 教授
実践の場から
 話題提供①:山本 佳美氏 大阪府茨木保健所 保健師長
 話題提供②:伊東 明美氏 大阪府四條畷保健所 保健師長
意見交換
 講義資料と話題提供①、話題提供②の発表要旨は添付しましたので、クリックしてご覧ください。
 ≫講義資料
 ≫話題提供①
 ≫話題提供②

意見交換の後の2グループの発表
1.話し合いから、記録を上司が見るところとそうじゃないところがあることがわかった。新人、スタッフの話を聞きながらケースを把握している。判断が必要なケースほど早く記録を提出してほしいが、今動いているから記録は出せない、落ち着いてから出すと言われる。口頭で報告してもらって良しとするか(上司として問題のあるケース把握をどうするか)悩ましい。

2.記録の書き方、大阪府は電子と紙の記録があり、両方進まない。部署によっては職種がたくさんのところがあり、職種によって記録の書き方が違う。保健師は精神、母子、感染症などどこで働いたかで記録にカラーが出る。 虐待のケースの記録は膨大になる。きちんと書いておかないと後で困ると思うため。 今日、会に参加して行政の記録として、ポイントを抑える必要なケースを考えていく必要性を感じた。まとめるだけでなく、書いていかないといけない。

参加者のアンケート結果(n=32)











話題提供と意見交換の様子





1)講義「保健師の記録について」はいかがでしたか。(一部抜粋)
・記録を書く前に「要点を書き出す」と「評価する」を机に貼って振り返ることは早速行ってみようと思う。
・何を誰に伝えたいのかを考えて記録する必要性を痛感した。
・記録は保健師の実践を見える化するためにも重要だと思った。また、新人の育成、現任教育にも活用できることを改めて感じた。
・あらためて基本・原点について考えることができた。学生にも伝えていきたい。
・大変納得できた。記録の指導は悩ましいが、「書く前指導」が有効とのヒントを得た。
・記録の法的根拠、ポイント等を短時間で講義していただき、自分の普段の記録を見直すきっかけとなった。

2)実践の場からの話題提供はいかがでしたか。(一部抜粋)
・現場でどのような工夫をしているかがわかってよかった。
・情報公開時のことも考えた記録も視野に入れていくことの必要性が分かった。
・今まで自分の市のことしか頭になかったので、とても刺激になった。
・現場の悩みや課題は、どこでも共通する部分が多いと思う。記録のルールや工夫についてよく理解できた。
・記録のマニュアルや、情報公開の視点があり、そこまで考えられていなかったので、とても勉強になった。
・実際に裁判になり、記録を開示しなければならない時に、今の自分の記録で本当にいいのか振り返る事ができた。
・大阪府のマニュアルが改訂されたら見せてほしい。

3)意見交換はいかがでしたか。(一部抜粋)
・目的を明確に持つことの大切さに触れられた。
・保健部門以外の方の記録の書き方がわかった。
・いろんな県・市町の話が聞けて、各市町で随分違うと思った。
・共通のテーマとして記録を取り上げることは、連携強化のヒントになった。
・情報開示や、裁判の際のことも見据えた記録のあり方について考えさせられた。

まとめ:山口副会長
 組織として把握して個々の担当者を守るために、記録を組織内の共有確認のツールとして上司が見ている。部下に記録を書いてもらい具体的なアドバイスができる。きちんと記録するように指導することで援助のスキルアップにもつながり、記録は現任教育の手段になる。
 ケースの記録は、簡潔に、細かく、緻密に、メリハリをつけて書くこう。また、対象者への次の援助と保健師を守るために使える記録を書くようにしよう。
 分散配置、記録の共有、システム、電子化、どういう記録をどこまで役立てるか、いい援助のために行政としての説明責任を果たせるために、常に意識して書いていこう。

 改めて、記録の重要性、記録の奥の深さを知る自由集会になりました。

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